2012年4月29日日曜日

植え込み型デバイスが重度片頭痛患者の疼痛緩和とQOL改善(2011.7.4掲載)


うなじに隠された植え込みデバイスによって、薬物療法などの治療法に反応しない重度片頭痛患者の頭痛のない日が増えることが、新しい研究で示唆され、ドイツ、ベルリンで開催された国際頭痛学会(IHC)で発表された。片頭痛は米国では3,600万人以上に認められ、薬物療法とライフスタイルの変更がファーストライン(first-line)の治療法であるが、これらの方法で誰もが改善するわけではない。

米セント・ジュードメディカルSt.

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Jude Medical社(ミネソタ州)製の神経刺激装置ジェネシス(Genesis)は首の後ろに植え込む短い薄片(strip)であり、バッテリパックを体内のどこかに植え込んで作動させると後頭神経(occipital nerve)を刺激し、片頭痛による痛みが緩和される。今回の研究はこのデバイスに関するこれまでで最も大規模な研究で、同社の資金提供を受けて実施された。

米ジェファーソン頭痛センター(フィラデルフィア)所長のStephen D. Silberstein博士らは、1カ月のうち約26日に重度の片頭痛がみられる157人を対象に、このデバイスを検証した。12週間後、デバイス使用群では痛みのない日が1カ月あたり7日以上、対照群では1日増加した。対照群の被験者には最初の12週間が過ぎるまで刺激を与えなかった。


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デバイスを使用した被験者は、重度頭痛の減少と生活の質(QOL)が改善したことも報告した。1年後、被験者の66%は、著効あるいは良好な疼痛緩和を認めたと述べた。ただし、疼痛軽減効果は米国食品医薬品局(FDA)標準値の「50%疼痛軽減」には及ばなかった。同氏は「毎日の片頭痛のために仕事をしないで生活が破綻している患者は多く、このデバイスはその一部を助ける可能性がある」と述べている。


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研究共著者である米ミシガン頭痛・神経学研究所(アンアーバー)のJoel Saper博士は、「この治療法は一部の片頭痛患者にとって重要な選択肢となりうる。全員に劇的な効果があることは期待しないが、効果があれば生活が一変する。ただし、手術による感染症などのリスクはあり、効果の持続期間も不明である」と述べている。同氏は製造業者からの報酬を受けていない。


米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)のRichard B. Lipton博士は「1カ月で1週間頭痛がないことは慢性片頭痛患者にとって大きな利益であり、治療に対する満足やQOLの大幅な改善につながる」という。別の専門家は、「このデバイスを片頭痛のファーストライン治療法とみなすべきではないが、選択肢の1つのである」と述べている。両氏とも今回の研究には関与していない。(HealthDay News 6月23日)


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