鍼灸の適応?
WHO(世界保健機構)NIH(米国立保健研究所)では、
公的に適応を認めた疾患は約40症例ほどあり
内科的な症状から婦人科的症状など多種にわたり
鍼灸の効果を欧米では認めています。
鍼灸は、からだに表れている局部だけでなく、
その症状が出た体質や病因と言う根本を治すことを目標に治療します。
腰痛を治すと胃腸の症状が良くなる方、
婦人科の症状頭痛めまいなど関係ないような症状が
同時に良くなり全体の調和がとれてきます。
ここでは、良く来院される症状にもとづいて紹介します。
ギックリ腰(急性腰筋筋膜症)
腰の筋膜に症状があり、3日から1週間で回復するのが通常です。
しかし、おしりや足の方へ痛みがある場合は、
神経根の圧迫があり腰椎に問題があり
ヘルニア・狭窄症と同様の症状があらわれます。
鍼灸は、いためている筋肉に直接作用する効果と
遠隔的に作用し鎮痛効果があります。
ギックリ腰には、腰の筋肉だけの問題でなく
カゼのひきはじめや下痢・便秘・寝不足・冷え・ストレス
女性は生理の周期などの条件がそろうと発症します。
腰痛の85%は原因がわからないと言われています。
レントゲンMRI等の画像診断で特定できても
薬物療法などの対象療法では治りません。
鍼灸療法と各種療法を組み合わせて治療します。
3日以上安静し寝たきりは、その後の快復に期間がかかります。
激痛が治まり3日後ぐらいから,歩行やマッケンジー療法を試されても良いでしょう。
局部に熱感が無いときにシップを貼ると治療が長引きます。
筋膜の痛みレベルであれば、うつぶせで寝てみてください
コルセットをしている方は就寝時に外して休まれてください。
坐骨神経痛
腰椎の神経と仙骨(骨盤中央)からの神経が束となり、
おしりから足の先まであり、体で一番大きい神経です。
治療のポイントとして、
仙骨と大腿骨を結ぶ筋肉が神経と血管を圧迫しています。
鍼灸で深部の神経を挟んでいる筋肉を直接作用し収縮をとる効果と
末梢神経に作用し血液循環を良くし
末梢神経の再生力が高まり鎮痛効果があります。
「シップや電気療法では治らない」と言われて来院される方が多いです。
電気刺激や冷やす治療を継続することにより、かえって過敏になり血管を収縮させます。
降圧剤・血液をサラサラにする凝固阻止剤を服用していて、
シップ・鎮痛剤を服用すると効果は、表面の筋肉に一時的に作用しますが
末梢と内臓との血流状態が悪くなり逆の薬理作用がおきています。
治療を見直すべきでしょう
当院では、鍼灸と同時に骨盤の調整を行い
骨盤内の循環を治すことにより鎮痛効果があります。
椎間板ヘルニア(ついかんばんヘルニア)
ヘルニアとは、飛び出すと言う意味です。
背骨の関節の間から椎間板の核が外へ出て神経をさわることにより足へ痛みが走ります。
ヘルニアは病院でレントゲンやMRIで検査・治療して来院されるケースが大半です。
「局部ブロック注射をしても治まらない」
「手術をすすめられているが決断がつかない」
「鎮痛剤で治まらない、薬をのみたくない胃が悪くなった」
ヘルニアの状態によりますが、極端な足への麻痺や排尿障害が無い場合は、治療可能です。
画像診断でヘルニアがあると診断されたにもかかわらず症状が出ない方がいます。
アメリカで9年後の追跡調査をした報告によりますと
手術をしない方がQOL(生活の質)は高いと言われています。
ヘルニアの核は若い方は細胞に水分があり弾力がりますので外へ出やすく、骨盤や筋バランスが整うと陰圧になり、元の位置へおさまる可能性が高く補修作用が働き縮小または消失します。
60歳代にさしかかるとヘルニア自身の水分が無くなり退縮し神経をさわらなくなります。
しかし、椎間は狭くなり狭窄症をおこします。